2009年4月に発生が確認されてから7ヶ月が経過しますが、世界中で同じウィルスが蔓延しているのにも関わらず、各国で異なる様相を呈してきています。一先ず、2009年11月時点の状況と対策のあり方を纏めてみます。
日本では、2009年11月現在、推計1500万人が感染しました。確定は900万人程度とのことです。
死亡された方が60名前後ということで、世界的に見てもかなり人数が少ないという特徴があります。
ちなみに米国では、既に4000名弱の方が亡くなられていると政府機関により発表されていますが、メキシコやオーストラリアにおける致死率に近い数値となっています。
なぜ、日本だけ致死率が低いのかについては諸説ありますが、実際にこれといった確証はなく、今後日本でも各国の数値に近づいていくと仮定すると、現在の10倍~50倍の数値になる可能性もあります。
また、ウクライナで騒ぎになっている新型インフルエンザなのかどうか分からない伝染病についても、政府による情報操作なのか、本当に新たな病気なのかを気をつけておく必要があるのかもしれません。
さて、日本において新型インフルエンザ対策を講じる企業が少ないということが話題になっていますが、基本的には対策費用の捻出や、対策に関する人員の問題ということになっています。
しかし、当社で提供している無料の対策ノウハウサイトや、NTTラーニングシステムズ社と共同で展開している新型インフルエンザ対策サイトへのアクセスが多いわけではありませんので「自分だけは大丈夫」といった日本人らしい感覚がもっとも大きく影響しているのではないかと感じていたりもします。
以下に、これまでセミナーなどでお話ししてきました個人向けの新型インフルエンザ対策についてまとめてみようと思います。
◆ マスクは有効か?
マスクは、発症者が他の方に感染させないためには有効ですが、感染しないためにはあまり役に立ちません。
もし、感染を防ぎたいのであれば、常に「水中メガネ」を付けて、マスクには「ソックタッチ」で皮膚と密閉した状態をつくり歩くしかないでしょう。感染しないためには全ての粘膜を覆っておく必要がありますので。
ちなみに「歯磨き」が有効かもしれないというデータがあります。「プロテアーゼ」という酵素を阻害して、粘膜を守るという取り組みになります。
◆ ウィルスはどれくらい生きている?
例えば、ステンレス製のドアノブなどに咳によって付着したウィルスは24時間生きているとのことです。この時間の間にドアノブに触り、その手でパンやおにぎりを食べたとすれば…。手洗いが重要なのはこの点でのこととなります。
◆ うがいは有効か?
インフルエンザは、粘膜に付着してから30分以内に感染します。もし寝る間も惜しんで30分以内ごとにうがいができるならば有効かもしれません。洗い流すことを目的とするのであればです。
大切なことは、うがいを心がけて喉の乾燥を防ぐことです。
◆ 空気清浄機は有効か?
感染者がいる病室に、感染していない人(医療従事者)が入室・在室する際の感染リスクを低減するために有効だというレポートがあります。
しかし、感染者がいれば咳等により常時ウィルスが供給されるため、空気清浄機があっても一時的には室内に蔓延するわけですので、ただ設置しているだけで安心はできません。
特に、教室やオフィスでの稼動人数を考えると、予防効果に対する費用対効果の点で過大な投資となる可能性が高いです。
◆ 加湿器は有効か?
空気中に浮遊するウィルスを埃に見立てるならば、湿度を上げることでウィルスの浮遊を抑えることができると考えられます。しかし、加湿による予防に関する論文を見たことはありません。
◆ 季節性インフルエンザになる条件は?
世界中である一定の人数が感染し抗体を持つ必要があります。そのためには、人口の半数以上が感染しなければならないでしょう。
結果として、人口の半数×致死率は、人間が生き抜くために必要な死亡者数という計算になりますし、この数値によってマクロ的に考えながら国家レベルや自治体レベルでの対策が講じられます。
◆ 新型インフルエンザ対策本は役に立つか?
書籍の発行には、最低3ヶ月が必要です。今発売されている書籍は、厚生労働省が検疫を強化していた時期、そしてマスクが大量に売れていた時期に考えられていたものとなります。今必要なのは、今の状況にあった情報収集と対策の構築です。
2009年4月に発生が確認されてから7ヶ月が経過しますが、世界中で同じウィルスが蔓延しているのにも関わらず、各国で異なる様相を呈してきています。一先ず、2009年11月時点の状況と対策のあり方を纏めてみます。そろそろ「濃厚接触者」の自宅待機は終わりにしましょう。
日本国内で1500万人以上が感染しているとすれば、日本人のほとんどが濃厚接触者と考えておかしくない状況です。
最後に、ある小児科の先生の話しとして、新型インフルエンザに感染した幼児の診断をしていて「親子感染を確認したことがない」という話がありました。
これは100名程度でのデータですので、統計データとしては信憑性に乏しいのかもしれませんが、夏(帰省時期)に大学生の子息から感染した40代~50代の企業幹部がいたこととあわせて考えると「未だ良く分からない病気だ」とされるのが理解できると思います。
不安を煽る必要はないのですが、世界的な感染状況と致死率で考えれば、日本でも数百人は亡くなるであろう病気であり、数万人が入院する可能性がある病気ですので、明日はわが身、そして家族の健康を守り、会社の操業と社員の生活を守るために必要な情報を集める体制を作って頂きたいと思います。
パンデミックBCPフォーラム http://bcp.jpn.org
現在の新型インフルエンザの動向を考えると、まず、日本だけの動きで捉えれば、沈静化していくと考えられています。
これは専門家(主にウィルス学に関する研究者)が発表しているようですが、感染が一巡したのではないかと考えているようです。
別の角度から考えると、現在日本では1500万人が感染したと推計されています。
人口1億2千万人強で、約10%、それも子供たちばかりが感染している状況です。
企業が抱えるリスクとしては、現状は、まだまだ社員本人の感染というよりも、子供たちが発症したことによる親の看護休業という方が多いようです。
自宅待機の有効性はかなり薄れてきていることもあり、また小児科医の話では、親子感染のケースが限りなく少ないという実態に基づき、安全に勤務できる体制を作ることの方が重要になってきていると考えてよいと思われます。
最近は、新型インフルエンザに誰でも罹るものだという認識は広がっていますが、そこからもう一歩考えておいて頂きたいのが、子供の重症化のリスク。
小児科で対応できるところがまだまだ整備されていませんので、親の対応がもっとも重要になります。
注意すべきは、子供は重症化し、大人は発症しなかったという事実です。
以下、朝日新聞の記事
2009年8月27日5時32分
国内で最も新型インフルの感染が広がった沖縄県。急拡大の前に感染した中部地区の小学2年の男児(7)は一時重症になった。母親(38)が看病の日々を振り返った。
長男は7月中旬、頭痛を訴えた。平熱だったので母は仮病を疑った。だが、長男が翌朝も頭痛を訴え、せきが出始めたため近くの診療所へ。熱は37度。診察した医師は「一日、様子をみましょう」。風邪薬をもらい帰宅した。
頭痛を訴えた日の2日後もせきが止まらない。「胸が痛い」と言い出し、熱は38度。再び受診した同じ診療所で、体内に酸素が行き渡らない低酸素状態と分 かり、総合病院で治療を受けることに。X線撮影で「大葉性肺炎」と判明。簡易検査でA型陽性反応が出たため、抗インフル薬タミフルの投与を始めた。その日 から1週間入院した。詳しい検査で2日後に新型インフルと確認された。
(中略)
沖縄県医師会の感染症担当理事の宮里善次・中頭病院院長は「沖縄で流行中のインフルは進行が早い。患者と接触した人が1~2日で症状が出るケースが多い」。学校再開に向け、「親は毎朝子どもの熱を測り、少しでも熱があれば休ませて」と言う。(林敦彦)
飛沫咳感染を避けるために、自分から相手に感染させないために、マスクは重要なツールです。
先日も、首都圏のボックス席のある鉄道で、とあるサラリーマンが咳き込んでいましたが、その周辺は誰もマスクをせず、また咳き込んでいる方もハンカチを口に充てることもなく、とてもリスクのある環境となっていました。
過剰になる必要はないのですが、子供と妊婦さんにはマスクをいつでも身に着けられる準備が必要かもしれません。
新型インフルエンザ対策セミナー(NTTラーニングシステムズ社主催)
『新型と季節性が入り混じっての蔓延が想定される中、対策に漏れはありませんか?』
秋以降、本格的に世界的感染拡大が懸念される新型インフルエンザに対して、企業はリスクマネジメントの観点からどのような対策を講じるべきなのか。
新型インフルエンザに関する最新の状況や、実際に新型インフルエンザ対策に取り組む企業の取り組み事例をご紹介するとともに、労務管理や営業法務管理等の具体的かつ実務レベル対策についてご紹介します。
詳細・お申し込み : http://www.learningsite21.com/course/ec/e012.html
| 講師 | 厚生労働省 健康局 結核感染症課 新型インフルエンザ対策室 石川晴巳氏 親建新聞社 記者 中澤幸介氏 株式会社ENNA 代表 荒川大 |
| 開催地 | 東京都/港区 |
| 会場 | Learning Square新橋(東京都港区新橋4-21-3 新橋東急ビル 6F) |
| 開催日時 | 2009/10/08 10:00~2009/10/08 16:20 |
10:00-10:50
「最新のウィルス情報、現在までの状況と見直し」
新型インフルエンザ対策推進室 石川氏
11:00-11:50
「取材から見る、先進企業のパンデミックBCP対策事例」
親建新聞社 中澤氏
13:00-13:50
「対策漏れは?パンデミックBCPレビュー」
14:00-14:50
「パンデミック時の就業スタイルと管理体制」
15:00-15:50
「パンデミック時の営業スタイルと契約管理」
15:50-16:20
質疑応答
株式会社ENNA 荒川(13:00~16:20のセッション)
2008年11月から新型インフルエンザ対策のノウハウを提供してきましたが、まだまだ実感が沸かないという方も少なくありません。
本日、お亡くなりになられた方がいました。ご冥福をお祈りいたします。
【http://bcp.jpn.org 】にて、対策支援フォーラムサイトを開設しました。
さて、ニュースをいくつか拾っていますが、どうも本日亡くなられた方には基礎疾患が見当たらないのです。
基礎疾患がないのに、30代の方が亡くなったという事実はどう受け止めたらよいのでしょうか。
ブラジルでは600名以上の死者が確認され、その1割が妊婦であるということもレポートされています。
また感染者から重症化する確率や、重症化した幼児のインフルエンザ脳症の発症の確率については、報道のあり方もありますので、実数をカウントしなければならないのですが、可能性として高いように感じています。
感染予防しかないのですが、もう少し強気で対策をしてもよいと思います。
あくまでも自分と自分の家族を守るための対策でしかありません。
自民党の幹部が選挙演説の中で、海外からの新型インフルエンザワクチンの輸入を言及したらしいのですが・・・
新型インフルエンザワクチンそのものの副作用情報もままならない段階で・・・
現在の新型インフルエンザに対するワクチンが、この先の変異に対してどれくらい対応できるかも分からない段階で・・・
途上国などの蔓延、衛生環境の悪化、変異等に対するリスク対策や国家的な支援の必要性、重要性を検討する前の段階で・・・
目先のことで、国民に対する甘言の極みではないかと思うわけです。
もし、海外からワクチンが輸入できて
もし、その輸入できたワクチンが、本来は製薬会社からWHOを通して途上国に向けられるものだったとして、
もし、途上国で蔓延を低減できずに、新型インフルエンザの変異が発生したとして、
今の日本で備蓄しようとしているワクチン全てが無用の物になるリスクをきちんと検討してから、自民党は発表しているのでしょうか・・・。
http://mainichi.jp/select/science/news/20090824k0000m040054000c.html